北海道の旅

 僕達は日本全国を旅するのが仕事でほとんどの地方、北はここ北海道から南は沖縄まで訪れている。でも、それはあくまで仕事なので観光旅行とはいかないのが事実である。しかし極力その町の特徴を聞いたり、名所旧跡には足を運ぶようにしている。「お休みの時ぐらいは他の趣味を楽しめばいいのに・・・」と、皆に言われ、「そうだ!」と、思うのだがでも旅にこだわっている。こだわりの旅…、つまり家族の旅である。今回の毎年恒例春休みスキー、北海道も当然のごとく想い出深い事になりそうであると期待していたのだが少々、雲行きが違ってきたようだ。息子の良建と二人きりになったホテルの部屋で彼の今後の人生や目標など色々、話しあっていた時に「この旅行がひとつの区切りだね!」と、話し始めた。前回このページでお話したが今年の6月で娘がハイスクールの卒業を迎える。彼が言うには姉の光紗の海外留学が決まれば3人での旅は家族の旅とは言えないし、本人も今後は行くつもりは無いと話し始めた。一瞬、妙に寂しさを感じた。でもそう考えるのが当たり前、4人そろって家族であるのだから…。考えればここ数年、思春期を迎えた子供達にとって親と一緒に出掛ける事より友達同士で遊んでいるほうが楽しかっただろう。よく今まで一緒に行動をしてくれたと改めて幸せだと感じた。来年には彼も卒業である。きっとこれからの事に関してはっきり言っておきたかったのだろう。親離れ、子離れかは、それぞれの家庭で出くわす事なのだが、我が家は子離れの時期を迎えようとしている。今回がひょっとして最後?など、考えながらスキーを存分に楽しもうと思っていた。ところが娘が風邪気味だったのが運悪く発熱してしまった。せっかくの彼女の為の卒業旅行のつもりがそれどころではなくなってしまい、毎日部屋での寝たままのまるで病院生活の様である。幸いホテルのスタッフの皆さんにとても良くして頂き、多少は良くなってきたのだが彼女にとっても家族にとっても最悪である。これも仕方ない事、旅のハプニングとして思い出の1ページに刻まれることだろう。この次、今までのように4人揃っての旅行はいつになるのだろうか?僕の還暦のお祝いの頃だろうか?そうすると…、孫もいるかも?。どう考えてみても…、やっぱり…、さみしいな〜。そんな気持の「北海道の旅」である。