ローカル大好き

 11月10日夕方、名古屋発の熊本行きの飛行機に乗り込んだ。行き先は宮崎県東臼杵郡椎葉村(シイバソン)。宮崎放送の公開録音「椎葉平家まつり」へのゲスト出演である。本番は翌日の午前中なので前日入り、椎葉村までは熊本空港からの方が近いみたいで宮崎空港を利用すると現地まで4〜5時間を要し、熊本空港からは2時間半ぐらいとの事、宮崎県と熊本県との県境に位置する山間の場所だ。山道を車で揺られての移動はつらい体になってきているが、のんびり移動するのもまたよし!でも、日は落ちてまわり一体が真っ暗闇になり、行き交う車は数少ない。一人旅だったら心細いであろう。道中、印象的だったのは夜空の星が異常に明るく輝いていた。空気が澄んでいる。僕達の仕事は全国を旅する事でもある。だから、プライベートではめったに行く事がない過疎の村に出かけるのも楽しみのひとつ、心の中で新しい発見や出会いがあればと思っている。自宅を出でから6時間余り、9時を過ぎた頃にやっと宿舎である、「旅荘・陣屋の里」へ到着した。夕食が用意されていた。山菜を中心に鹿肉の刺身、鴨鍋、川魚など数多くの料理がテーブルに並べられて、まさにこれぞ郷土料理であった。なかでも絶品だったのが数種類の野菜の煮物、何か?忘れていた日本の味を思い出していた。日本の味、美味しかった!そして、外は夜がふけると共に寒さが増していった。翌朝、部屋の襖を開けると山間に存在する村の家々が確認できた。ここ椎葉村には平家の落人伝説が伝わっている。村民人口は4〜5000人で、その99%が椎葉と那須という名字だそうだ。平家伝説…、納得できる風景であったし、少し、時代をタイムスリップした様に感じられた。遠くからお囃子の音が聞こえてきて、年に一度の村をあげての大イベントがすでに始まっていた。この時期には全国から観光客が押し寄せ3万人をこえる人達で村全体が活気ずくそうだ。今日の仕事は11時30分からの公開録音で出演時間は30分である。アマチュアの人達の「カラオケ源平歌合戦」後に我々の出番であった。30分のステージの為に前日泊し、移動に往復12時間以上かかった。でも、それが仕事でもあり楽しみなのだ。終演後に村役場の方からお土産を頂いた。梅酒、クッキー、蕎麦、ゆず味噌、ゆず胡椒、竹の子キムチ(特産品コンテスト最優秀賞受賞)、それにロゴ入りのTシャツだった。どれも村独自の産物である。感謝、感謝…。素晴らしい贈り物であった。名古屋の自宅に到着したのは夜の9時を過ぎていた。パソコンのスイッチを入れ、いつものようにメールのチェックをしてみた。ファンの方からメールが届いていた。その中で宮崎県の川野さんと言う方からのメールが目に入った。朝、5時に起きてわざわざ僕達の今日のステージを見に来てくれたようだ。ステージの感想、応援など温かな内容で仕事の疲れがいっきに吹っ飛んでいく気がした。ファンの皆さん全員に感謝したい。ちなみに川野さん一家が帰宅したのは7時過ぎとの事、お互い長い道のりだったと感じているに違いない。都会で仕事をするのも楽しいが、美しい自然の中での仕事はそれにも増して充実感がある。やっぱり僕達は「ローカル大好き」歌手!今後もこの生き方を忘れないで全国へでかけて、ファンの皆さんへ、良き思い出をのこす為に頑張るつもりでいる。と言う事で、今回のBSは郷土の紹介、ぜひ皆さんも、自然を見つけに出かけてみては如何でしょうか?

村おこし応援隊: 松崎好孝