意識改革

 先日、徳島で行われた「ネンリンピック徳島・2003・音楽文化祭」の仕事があった。名古屋から徳島、通常はJRや飛行機を利用するのが普通だ。しかし、僕はあえて車での移動を事務所のデスクの竹之内女史に伝えた。ステージの開演時間と当日の混雑を考慮して前日入りが決まっていたので、車移動でも時間の余裕はあるしそれ程の疲労も感じないと思ったからだった。とは言うものの、東京にある僕達のプロダクションはスタッフ全員が女性で編成されているので運転手はいつも僕なのである。マネージャー2人と悦チャンを乗せた車は午後1時前に名古屋を出発した。道のりは順調、スムーズに宿泊先の明石市のホテルへ到着する事ができた。(徳島市内のホテルはすべて満室だった)車での移動はスムーズと言っても数時間はかかるが、狭い車内の空間で気心知れた連中との会話は予想以上に弾むもので、ついつい時間を忘れてしまう。高速道のSAで休憩したり、記念写真を撮ってみたり、持参したおにぎりやみかんを食べながら、ピクニック気分でもあった。公共交通機関内ではそうはいかない。人目も感じるし、仕事の内容を話すことはできない。そんな訳で日頃は聞けないスタッフの考え方やプライベートな話で盛り上がり、あっという間に時間は過ぎて行った。時々はこんな時間や空間も大切と思いながらのドライブだった。

さて、明日のステージは今年で16回を迎えた「全国健康福祉祭」、通称「ネンリンピック」、中高年の皆さんがいつまでも健康に幸せに暮らせる社会に!がテーマだと思う。国民の当然の権利を改めてイベントとして行ってきてから16年が過ぎた。でも、考えてみればここ数年の社会情勢を考慮すると、中高年の皆さんの生活が決して良くなっているとは考えずらいのではないだろうか?経済不況からの様々な生活への影響は深刻な問題である。折りしも11月には日本の衆議院選挙が行われる。僕は残念に思う。今の日本の現状は無党派層とか政治に関心のない人達が余りにも多いのではないだろうか?実際のアンケート調査でも一目瞭然で、誰が首相になろうが、誰が当選しようがどうでもよい、変わらない、なんて人が多すぎないだろうか。僕はそんなごく一部の人の関心の無さが歯がゆくて仕方ない。で・・・、で・・・、たかが歌手である僕なのだが、この際、デシャバリ提案をしてみたくなった。

その1!もっと政治に興味を!。僕は、いや、ほとんどの皆さんが平和で幸せに暮らせる日本を願っているだろう。いつまでも美しい日本であって欲しいと思っている。そんな僕や共感してくださる人達に再確認の意味も込めて・・・、今、出来る事とはいったい何だろう?やはり政治への関心度が一番だろう。そして、与・野党に関わらず真の政治家を選ばなければならない「目」を持つ事ではないだろうか?有権者の一票の重みが大切になるのは当たり前、そんな一票を生かして将来を考える時が来ているのではないだろうか?構造改革もいいがその前に、敢えて僕達有権者自身の我がままや身勝手な要求を望んだらどうだろうか?現在は「しょうがない!」で済ませてしまっている気がする。自分自身や家族の将来を真剣に考える時がきていると思う。そこでまずは投票率を90%以上を目標に・・・。天候やら季節によっては投票所へ足を運ぶ行為が面倒な事だろう。でも、投票率が上がれば多少の変化は見られるかもしれない。そこで僕の冗談話的な発想!?。マスメディアや芸能・スポーツ界を巻き込んだ広報活動はどうだろうか?若年層、中高年層、高齢者層のそれぞれが最も信頼ができる著名人を政府広報の選挙CMに起用する。又、ハリウッドスター、アーノルド・シュワルツネガー氏がカリフォルニア州知事に選出された時に行ったカリフォルニア縦断バス遊説を真似た「日本縦断バス広報活動ツァー」。なんて効果があると思うけどなあ〜。スクリーンでしか観ることの出来ないスターが我が町へやって来る!効果大?なんてアイディア・・・、如何だろう?ただ、問題点は選挙広報以前にサイン大会になってしまうだろうなあ〜。本当の目的が消えてしまうかも。CMは良いとしても縦断バスは?やはり無理かな〜?無理だね!いや、それも有りだよね!関心を持ってもらうためには・・・、と言う事でデシャバリ提案終了。

音楽文化祭当日、僕達の出番がやってきた。お話を交えながら観客席との一体感を感じ始めた頃、客席の60歳台の男性が「長生きするぞ!」と僕達に向かって声をかけた。話の流れは省略するが、多くの皆さんの想いを垣間見ることが出来た。市民文化センターの観客の大半は中高齢者で埋め尽くされていた。僕達チェリッシュがゲストとして「ネンリンピック」への出演依頼が届いたのも、考えてみれば観客の皆さんと同世代?これからも幸せに健康で有意義な人生を暮らしたいと願う同じ人間である。政府の「構造改革」がいつ達成されるのか分からないが、国民の「意識改革」も同時に考える時期にきていると思う。「第16回全国健康福祉祭徳島大会・音楽文化祭」、僕にとっては11月の選挙後の国の行方が気になる思い出に残るコンサートだった。